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宮崎です。
若輩者が僭越ながら、他山岳会の方と組んで山に行かせていただきました。
お相手は同じ愛知岳連の名古屋ACCに所属する小山田さん。
小山田さんは北海道で10年以上も厳しい山と沢を経験し、昨年から活動拠点を名古屋に移したリアル山&沢ヤ。
行き先はクラシックルートで一致し、鹿島槍ヶ岳東尾根となりました。

二の沢の頭から鹿島槍北峰 二の沢の頭から北峰


【5月16日】
大谷原駐車場(1110m)6:45-10:45一の沢の頭(2003m)11:15-12:30二の沢の頭(2177m)12:45-14:00第一岩峰基部(2420m)

【5月17日】
第一岩峰基部5:40-7:40第二岩峰基部(2620m)-荒沢の頭(2714m)9:10-鹿島槍ヶ岳北峰(2842m)9:40-10:25鹿島槍ヶ岳南峰(2889m)10:50-12:00冷池山荘(2422m)12:15-赤岩尾根分岐(2450m)12:30-西沢の頭(2350)12:55-西俣出合(1321m)13:40-14:20大谷原駐車場


標高約1100mの大谷原登山口から林道に入ってすぐ、右側に赤布があるところが東尾根の取り付き。
事前に岩佐さんから「藪こぎ大変ですよ」とのアドバイスもあり覚悟はしていた藪こぎが、さっそく始まります。
本格的な藪こぎは初でしたが、密度はまあ想定内。
1時間も登って尾根の上に出れば終わるっしょ、ガンダムで言えばミノフスキー粒子っしょ、とタカをくくってガシガシ漕ぎながら登ります。

雪と藪 藪尾根


が、しかし。
終わらない。
尾根の上に出ても、終わるどころかミノフスキー粒子はどんどん密度を増していきます。
はじめのうちは「踏み跡もあるし、いいほうでしょう」と涼しく笑っていた藪ベテランの小山田さんも、「長いですね」と徐々に険しい顔に。
しかも標高1800m以降はグサグサの腐った雪と藪のミックスになり、さらに時間と体力をロス。
そして1880mのところで藪密度は最大に。
「藪がなんじゃ!ホームラン打ったらあ!」
そう気合いを入れ突撃しましたが、1m先も足下の土も見えない中ではさすがに進めないので一旦退却。
トラバースで稜線を外して雪壁を登り返し、藪の弱点を突いて再び稜線に出る作戦に変更します。
しかし雪の重さでしなだれたクマザサが作った藪フォールラインはやたらと滑る。
かなり冷や汗をかきながら藪バリアを突破し、雪壁に取り付き、標高約2000mの一の沢の頭に出るころ、気づきました。
5月中旬に鹿島槍東尾根を選んだことは、大きな間違いだったと。

東尾根 雪藪ミックス


結局、標高2177mの二の沢の頭までは断続的に藪が続き、第一岩峰基部のキャンプ予定地に着いたころには疲労困憊でした。

第一岩峰直下でのキャンプ テントの後ろに雪壁ルンゼ



翌日、雲海に昇る朝日を浴びながらクライミング開始。

20130517 050628


第一岩峰はルンゼの雪壁登攀でしたが、取り付きの雪が切れ落ちていたため、左の岩場を3mほど登ってからルンゼに進入。早朝で雪も固まり、快適に登りました。
1ピッチ目は小山田さん、2ピッチ目の草付きは宮崎。
そのままコンテニュアスで雪稜に登り、基部に残置支点のあった第1.5岩峰みたいな岩場もコンテで通過。

第一岩峰ルンゼ取り付き 切れ落ちた取り付き


第二岩峰は基部から二段上がったところに残置支点が3つあり、そこをビレイポイントに。
1ピッチのみで、リードは小山田さん、フォローで宮崎。

第二岩峰 稜線より第二岩峰、右側は急なカール

事前に読んだ記録では核心はチムニーとありましたが、ザックを背負っていてはとても通れないので、かぶり気味のチョックストーンを乗り越えました。
御在所前尾根のヤグラを登った経験が生きました。

第二岩峰小山田さん 小山田さん余裕のリード


そこからさらに雪稜を登り、荒沢の頭、北峰と通って最高地点の南峰に到着。
前日の藪のダメージからかなかなかペースが上がらず、小山田さんにだいぶ引き離されました。

20130517 091027 右が北峰、左が南峰

鹿島槍山頂からは360度の大パノラマ。
富士山、八ヶ岳、南アルプス、中央アルプス、槍穂高表銀座、剱立山、白馬など、日本の名だたる山々が一度に見渡せます。すげー。
爺ヶ岳と針ノ木岳の奥に槍ヶ岳北鎌尾根が見えたので、「タロー!コノヤロー!」と心の中で叫んでみました。

爺ヶ岳と槍穂高



下りはアイゼンを脱いで冷池山荘まで夏道で。
11時までに冷池山荘に着けば爺ヶ岳をピストンする予定でしたが、結果的に1時間もオーバーしたため断念。
山荘は休業中との情報でしたが、売店は営業していました。
念のため150円で水1リットル購入。

赤岩尾根の分岐周辺はかなり雪が悪く、またもズボズボグサグサのトラバースと藪越え。
ここで小山田さん、「ここを下りましょう」と右手の西沢を指さすやいなや、ものすごいスピード大雪渓を走り降りていきます。
グリセード気味滑り走りで追いかけましたが、小山田さんはあっという間に小さな点に。
西俣出合で雪渓走りのリスクをどの程度考えていたか聞くと、「急いで降りたけど、雪崩れない自信は80%くらい。トレースもあったし、白馬大雪渓と変わらないでしょう」と答えてくれました。
この判断で、3時間と想定していた標高差1100mの赤岩尾根の下りを1時間で終了。冷池山荘から大谷原まで、計2時間で下山でき、道中ずっと苦しんだグサグサ雪が最後に味方してくれました。

20130517 132132 西沢の大雪渓を見上げる

5月中旬の鹿島槍東尾根は正直計画ミスでしたが、長時間の藪漕ぎ、悪い状況でのルートファインディング、稜線上での幕営、15kg以上のザックを背負ってのクライミング、計約3500mの高低差など、総合的に貴重な経験を積むことができました。
とくに、技術、体力、判断力すべてにおいて、リアル山ヤと始めて半年のジャクハインクライマーとの差を実感し、大きな刺激を受けた2日間でした。
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