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I佐です。
H多野さん、ASCのJさんと一緒に、丸山東壁に行ってきました。以下報告します。

【行動記録】

7月24日: 扇沢7:30 = = 7:46黒部ダム – 9:30左岩稜取り付き10:06 ~ 17:45洞穴手前凹角18:00 ~ 19:00取り付き - - 20:20内蔵助谷出合
7月25日: 内蔵助谷出合06:23 -- 7:25黒部ダム8:05 = = 8:20扇沢

【報 告】

7月23日:
昨年の7月にH多野さんとJさんが挑戦して敗退した左岩稜。高蔵寺で23日の夜に集合した時点で、今年は何としても登るぞ!というお二人の意気込みが伝わってきた。
3時頃に扇沢の市営駐車場に到着後翌朝のトロリーバス始発の時間を確認し、テントを張って仮眠する。先週末の前穂高ではシュラフカバーで十分だったが、意外に寒くて何度も目が覚めた。

7月24日:
人の声があちこちから聞こえて寝られないので6時前に起きて準備をする。トロリーバスの切符売り場には既に順番待ちの列ができており、バスで観光客がぞくぞくと到着する。7:30のバスで扇沢に着くと、日電歩道への出口に向かうのは我々の3人だけ。結局岩場でも我々意外には誰一人クライマーはおらず、丸一日貸切状態で東壁を登ることになった。

暑いのと私の歩くのが遅いので、H多野さんとJさんはゆっくり歩いて下さり、9時半頃に東壁の基部に到着。取り付きの偵察をして、相談の末左岩稜の壁に向かって一番右側から左上することにする。(カッコ内はリード者)

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丸山東壁中央壁と左岩稜(左側のカンテ)

1P目: (H)階段状のフェースを左上し、カンテ右側の斜面までロープをほぼ一杯に伸ばす。草付きの部分はかなり悪く、残置も少なくて途中でハーケンを打つ。

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1P目から結構悪い。本当はブッシュ側に登っていくのだが、左側へのトラバースが悪くて行けず、ひとまずカンテ右下まで。

2P目: (H)トポではカンテの左側を登っていくようなので、1P目の終了点からカンテ下まで15mほど懸垂下降し、ブッシュの上に着く。

3P目: (J)30m程(?)ブッシュの中を左上して、ブッシュの上(ヒロケン本では1ピッチ目の始まり)に出る。

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ブッシュの中に消えていったJさん。

4P目: (H)やっとアブミを使っての登攀開始。カンテ上を人工で。20mくらい(?)ボルトを追って登る。

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ボルトの間隔は普通。

5P目: (H)壁を左側に10mほどトラバース。ここもリングボルトが打ってある。

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トラバースの準備中。    トラバースするJさん。       ビレイ点はなかなかの高度感。

6P目: (J)カンテ右側にあるリングボルトまでは、4、5mほど木登りをしなければならない。木はそれなりにしっかりしているが、なかなか高度感がある。このピッチは、この木がなくなったら登れない。ボルトに到達すれば、そこからはカンテ沿いにボルトを追って登る。途中で体重をかけると撓るハーケンも使い、ヒヤヒヤしながら登った。25mくらい。

7P目: (J)正面を直上するにはハングになっていてボルトもなく、カムで支点の取りようもないので、左側のブッシュに入って、またも木登りを交えながらブッシュの上に出る。数メートルのフェースを登ると、ちょっとしたテラスがある。ピッチの長さは40m弱くらいだが、この草付の足場の悪さ・不安定さは、私がこれまで登った草付で最悪だった。リードするJさんは、もの凄く怖かったと思う。草付を抜けてからテラスに上がるまでの数手も支点がなく微妙なバランスで登る。Jさんは途中で1本ハーケンを打ったが、とにかく非常に悪かった。

8P目: 1段高い所まで8mほど。

9P目: (H)H多野さんが、ブッシュの中に消えていき、暫くしてからまたロープが伸び始める。ブッシュを抜けた所でH多野さんがアブミで登っていくのが見える。ここはボルトの位置が真っ直ぐではなく、右や左に打ってある。私は上ばかり見ていたので、ボルトが消えた時点でフリーで登る所なのかと勘違いし、怖い思いをして1手進んだら右側にボルトがあった。中間部はボルトの間隔が長めに感じた。ロープは50mぎりぎりまで伸ばす。ピッチ最後はリングボルトが3本あるが、どれも古くてあまり強い衝撃はかけたくない。

10P目: (J)洞穴までの最後のピッチ。ここは事前に調べていて、岩はボロボロで状態が悪いと知っていたが、実際にJさんがリードで登って相当苦戦している。大きな岩が今にもはがれそうな所があり、壁全体が触るとパラパラと崩れるので、Jさんは左側のブッシュから上に行けないかどうか偵察に行く。しかしブッシュの先はコケだらけの岩壁で登るのは難しいらしく、クライムダウン。最終的にはH多野さんの判断で、「ヤバイ所を無理して登るのは危険だから止めよう」ということになり、登攀をここで終了して懸垂下降することになる。

18時に懸垂下降を開始し、1時間後に6ピッチで基部のブッシュの中に降り立つ。最後はヘッデンなしで何とかロープを手繰り寄せることができ、ギリギリだった。後はハーネスなどを外して靴を履き替え、今日の寝床を内蔵助谷出合の河原とし、ヘッデンを点けて45分ほど歩く。道が悪い所もあり、結構気を使う。

河原に着いたのが20:20。寝床にするのに丁度良いスペースがあり、焚き火跡もある。早速流木を集めて焚き火をし、暖を取る。沢登りで焚き火を起こすのに慣れているH多野リーダーは、一発で立派な火を起こした。3人とも思いのほか疲れており、火を囲んで遅めの夕食を取りながら暫く話をした後は、銘々シュラフカバーやツエルトにもぐり込んで文字通り野宿した。テントもツエルトもなく、マットも何も敷かずに地面の上でごろ寝するのは初めてだったので、面白かった。また、意外にも2回ほど目が覚めただけで、よく眠れた。

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焚き火で温まり、疲れを取る。

7月25日:

今日は帰るだけなので、また焚き火をして朝食を取り、6時半ごろ出発。行きにも越えてきた2つの雪渓をトラバースしながら、黒部川ダムそばの橋に到着。右岸に渡ると、H多野さんとJさんはトレランで坂を駆け上ると言う。荷物を背負って急な坂を駆け上がる体力は私にはないので、あっという間に消えてしまった二人の後を、マイペースで進む。黒部ダムは我々以外にはスタッフのほか誰もおらず、コーラで喉を潤した後8:05のバスで扇沢へ。

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雪渓2箇所。H多野さんは普通の登山道を歩くような感じでスタスタ歩いて行った。私は要修行。

扇沢でお土産を購入後、薬師の湯でのんびりと朝風呂に浸かり、野菜やスイカ、ブルーベリーなどを購入しながら観光客気分で信濃大町駅へ。アップルランド(スーパー)のお隣にあるJさんお勧めの『三洛』という定食屋でボリューム満点の美味しいお昼を食べ、3時過ぎに名古屋に戻ってきた。最近山の帰りにはすき家の牛丼で食事を済ませることが殆どだが、大町に行く機会があったら三洛はおすすめ。お値段も700~850円程度で、注文してから料理が運ばれてくるまでの時間も短く、山の帰りに立ち寄るには良いお店だと思う。『黒部ダムカレー』なるご当地メニューもあるので、カレー好きの方は試してみては?

左岩稜は、ブッシュ、木登り、草付き、コケ、岩と何でもありのルートで、ヒロケンの本で紹介されている内容よりも難しく感じました。セカンドで登ったので偉そうなことは言えませんが、クライミングのグレードはそんなに難しくはないのかもしれませんが、とにかく悪い所が多くてアルパインの厳しさを感じました。また洞穴前のピッチは相当悪いですから、もし行かれる方がいらっしゃったら十分注意して下さい。

結局上まで抜けることはできませんでしたが、中身の濃い面白いルートでした。H多野さん、Jさん、リードお疲れ様でした。
     
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