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I佐です。

M尾さん、伊那山仲間の皆さんと一緒に前穂高北尾根~明神に行ってきました。初日は一時強い雨に見舞われましたが、残りの二日間は快晴の下穂高を満喫してきました。(以下、比較的長文です。)

【行動記録】

7月17日: 沢渡5:30 = = 5:50上高地6:00 -- 8:20奥又白谷出合8:40 -- 9:30中畠新道・パノラマ新道分岐 9:50 -- 11:50 奥又白池
7月18日: 奥又白池 4:20 -- 7:00 五・六のコル 7:15 -- 9:20 III峰取り付き12:45 -- 14:45 前穂山頂 15:07 -- 18:45明神V峰
7月19日: 4:30 明神V峰 5:00 -- 7:40 上高地

【報 告】

7月17日: タクシーで上高地に到着後、穂高神社でお参りしたり景色を楽しみながら、のんびりと奥又白池まで登る。中畠新道はブッシュと木が生い茂ってちょっとしたヤブコギ状態だが、道はしっかりとしていて急ながらも歩き易い。森林限界を越えるとザレ場を登り、最後は雪渓をトラバースして奥又白池に到着。我々が一番乗りだったが、最終的にはテント5張と賑やかになった。テントを設営後、外で前穂高北尾根を眺めながらコーヒーを飲んでいると、天気予報どおり13時頃からポツポツと雨が降り出した。テントに入ると直ぐにバケツをひっくり返したような土砂降りで、2時間半ほどテントに寝転がって登山用語限定“しりとり合戦”に興じる。

1中畠・パノラマ新道分岐  2松高ルンゼ  3奥又白池から北尾根IV・Vと五六のコル  4奥又白池から北尾根III~I峰
中畠新道とパノラマ新道分岐  松高ルンゼの雪渓    北尾根IV峰V峰と五・六のコル  北尾根III~I峰

7月18日: 3時に起きて準備。今日は快晴である。まずは雪渓をトラバースして五・六のコルに向かう。この山行は伊那山仲間の皆さんのための穂高・雪山に向けてのトレーニングが目的のため、足元は軽登山靴又はアプローチシューズ、そしてアイゼン、ピッケルは無しで雪渓歩きと登攀を行なう。但しM尾隊長だけは、前日のアプローチの時に「これを使いなさい」と言わんばかりの状態で転がっていた石突が少し錆びたペツルシャルレのピッケルを拾い、これを活用した。私はアプローチシューズで行ったが、雪渓では靴が柔らかくて雪を蹴りこめず、油断すると直ぐに滑って困った。大小4つの雪渓の内、3つでロープを出してもらったが、ロープがなかったらかなり怖かったと思う。

5奥又白池から2つめの雪渓  64つ目の雪渓 
奥又白池から五・六のコルに向けて、雪渓大小4つばかりをトラバース

五・六のコルに上がると、奥穂、涸沢、北穂などが見えて、とにかく景色が素晴らしい。写真撮影後先に進む。V峰は右側から取り付き左上していく。IV峰は下部を直上後、右側にまいて行く。真ん中辺りに着いた所では1Pロープを出した。IV峰からIII峰への下りは、結構いやらしい。

7五六のコルからV峰を仰ぐ     8五六のコルから見た涸沢ヒュッテと槍ヶ岳
五・六のコルからV峰を仰ぐ  コルから見た涸沢ヒュッテ・小屋と槍ヶ岳

三・四のコルに到着すると、既にIII峰には上から下までビッシリとクライマーが取り付いており、更に20名くらいが順番待ちしていた。皆涸沢から北尾根の核心部だけを登るために来たようだが、「既に2時間待っています」とのこと。北尾根は混雑するとは聞いていたが、これほどまでに酷いとは思わなかった。引き返すわけにも行かないので、覚悟を決めてザックを降ろし昼寝の態勢に入る。M尾隊長はマットを出して本格的なお昼寝モードだ。ここは太陽の光を遮るものが何も無いため、強い夏の日差しをガンガン浴びる。黒の登山パンツは、熱を吸収して両足が焼けそうなくらいだ。これだけ待っている人がいるのだから、皆さんサッサと登ってくれるかな?と期待を込めて岩に取り付いているクライマーを見るが、意外にも皆さんマイペースで、20m位登って小刻みにピッチを切っているパーティーもいる。そんな調子なので、結局我々は3時間待たされることになった。

三・四のコルに来るまでにいい具合に温まっていた筋肉がカチカチになり、体が強張って気だるい状態になった頃にやっと我々の登る番である。(因みに我々のパーティーが最後尾。)ロープは1本。隊長とK藤さんがロープを結び、N山さん、私、T藤さんの順にユマールで登る。1P目、M尾さんがロープ一杯伸ばしてサッサと登っていく。「登ってOK」のコールで順番に上まで。2P目、左側の凹角は他パーティーが取り付いているため、M尾さんは右側を登り、「よし、どんどん登って来い!」のコールで適当な間を空けて次々に登る。ガバガバなのでグイグイ登れて気持ちが良い。途中で他パーティーに先を譲っていただきお礼を言いながら3P目もサッサと登って、4P目は歩き。II峰はコンテで登って、I峰側へは垂らしたロープを掴みながら10mほどのクライムダウン。ロープを片付けI峰を登って、14:45に漸く前穂高頂上着。先行パーティーの内4パーティーを抜かせていただきながら登ったが、辛抱強く最後尾で登っていたら多分山頂到着は16時頃になっただろう。

9激混みのIII峰  10N山さん  11T藤さん  12K藤さん
激混みのIII峰       N山さん          Tさん                K藤さん 

13前穂高頂上   14明神II峰とIII峰?   15明神東稜らしい   16明神III峰
前穂高頂上             かっこいい明神II峰とIII峰? 明神東稜・・・らしい        III峰のクライミング 

17登ってきた明神III峰  18ひょうたん池を見下ろす
辿ってきた稜線をバックに    ひょうたん池を見下ろす

記念撮影後は、今日のテン場である明神V峰に向けて出発。カッコイイ明神を撮影しながら目的地を目指す。II峰は豪快な登りができて気持ちよい。核心のIII峰では2ピッチロープを使う(1P目30m、2P目40mくらい)。途中で後を振り返って越えてきた峰々を眺め、最後はヤブコギで日没前にテン場に到着した。

7月19日: 最終日の今日は、朝日を浴びる穂高を眺望し、あとは尾根を岳沢に向けて下るだけ。と思ったがこの下りがクセモノでかなり急で滑り易い。バランスが悪く下りが苦手な私は途中で滑ってでんぐり返り、皆さんに止めていただきヒヤリとする場面もあった。私にとってはここがこの山行の核心であった。

ボツボツ観光客が到着し始めた上高地に着いたのが7時半過ぎ。まだ温泉には早いので、時間つぶしとクールダウンを兼ねて、のんびり大正池までお散歩。そこからタクシーで沢渡に戻った。

19梓川~上高地~焼岳~乗鞍  20明神南西稜を下る
テン場近くから見た上高地    急な南西尾根を下る

                      ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

前穂高北尾根~明神の登攀・縦走は、穂高の概念を掴むのにとても良いルートだと思いました。クライミング自体は難しくはないけれど、さすが日本を代表する岩稜。景色を楽しみながら前穂高の山頂を目指してグイグイ登るのは面白かったです。また、夏は明神まで縦走する人は殆どいないため、静かで快適なプチ登攀&歩きを楽しめます。ただ、所々踏み跡が分かりにくい所があり、M尾さんの“野生の勘(?)”を頼りに後に続くと、ちゃんと赤テープがありました。自分だけで行ったら、相当迷って苦労するであろうと思いました。

山行も素晴らしかったですが、食事もびっくりするほどの内容でした。K藤さんが用意して下さった食事は、男の子が用意してくれたとは思えないほどの工夫がこらしてあってとても美味しく、感心しました。またN山さんは富山や長野のグルメなおつまみをどっさりと持ってきて下さり、ビール、ワイン、ヴォトカを飲みながら毎日豪華な食事となりました。T藤さんの関西のノリで食事中は笑いが絶えず、朗らかな山仲間の皆さんに加えていただいて、思い出に残る楽しい山行となりました。

また、M尾さんには雪渓歩きやクライミング、登山全般について多くのことを学ばせていただき、得ることの多い充実した山行でした。M尾さんとの本格的な山登りは初めてでしたが、普段のおちゃらけ(失礼!)M尾さんとは全く違う、厳しくカッコイイ“アルパイン・クライマー”の一面を垣間見ました。

最後にコンディションですが、涸沢側も奥又白側も雪渓はまだ結構残っていました(写真を見てね)。今回はトレーニングが目的だったために、アイゼン・ピッケル無しで、ロープを出して雪渓を歩き、普段なかなか出来ない貴重な経験をさせていただきました。来月の第2週にはIV峰の北条・新村ルートを登るためにまたこの奥又白を訪れる予定ですが、雪渓の具合によってはスピードアップのために軽アイゼンと小さめのピッケルを持参した方が良いと思いました。ということで下見も出来て良かったです。

   
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