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1皮です
岩佐さんとともに
中岳というマイナーな山の、西尾根というマイナーな雪稜を登ってきました

【10日】新穂高4:50~8:50滝谷出合9:00~10:00中岳西尾根取り付き~12:50ニセP1 13:40~16:40P3取り付きのテン場
【11日】P3 6:00~8:50中岳頂上9:20~10:00大喰岳~11:00槍平11:20~15:30新穂高

標高が3084mあるのに、誰も頂上で記念写真を撮らない中岳
槍から穂高へ、穂高から槍へ行く途中の峰でしかない中岳
ちゃんとした名前が付けられず、「真ん中の山」というかわいそうな名前の中岳・・・
しかしどうして、西尾根はなかなかにオモロイ尾根でした

明るくなってから新穂高を出発
白出出合まで、林道にも回りの斜面にもほとんど雪がない
「この分じゃ、西尾根にも雪は残ってないんじゃないか、、、」
心踊らないマイナー尾根に向かっているということもあり、
白出出合で、「行こか」「戻ろか」で40分ほど話し合う
「今シーズンの春山はこれが最後なので、無駄になっても行っておきましょう」
こんな岩佐さんの一言で、一応向かう事にした
そしたら、標高1800mぐらいから雪がどっと出てきて、
槍平から見た中岳西尾根は真っ白
槍平から標高差1100mあるはずだが、急な尾根には見えない
P1000984_convert_20140514100025.jpg槍平から中岳西尾根に向かう


尾根の斜面には前日、前々日の新雪が数~10数センチ積もっている
雲ひとつない快晴。雪はどんどん緩み、2400mの森林限界を超すと
足を一歩踏み出すと斜面から「バスッ」という例の嫌な音
幸い雪崩れることはなかったが、2人が距離をあけて歩くようにした。
2600m付近で、40mぐらいの岩場が前を塞いだ
P1かなと思って、左のルンゼからブッシュのはえた急斜面を登った。
岩場の上に出ると、そこにあるはずのP2、P3がない
おかしいと思って登山体系のコピーを見ると
岩場はずっと上の2800mぐらいから出てくるらしい
今登った岩場はいったい何だったんだ?
P1000994_convert_20140514100630.jpgニセP1基部に向かう

Nakadake140510-11f.jpgニセP1

P1000998_convert_20140514101258.jpgニセP1上部

Nakadake140510-11e.jpgでっかい雪庇を越える

P1010006_convert_20140514103739.jpg2700mぐらいの尾根。真下に槍平が見える

上部に行くほど斜面は急になった
急なナイフリッジと、急斜面のクライムダウンを2度繰り返した後
P3と思われる岩場が突然現れた
P1、P2は雪の下だったらしい
時間は午後4時過ぎ。急斜面の堅雪を削り、テント1つ分の広さを確保
岩場にエイリアンで2カ所支点を作りロープを通して、
セルフを取ったまま寝ることにした
抜戸岳の尾根に沈む太陽がきれいだった
P1010023_convert_20140514104109.jpgナイフリッジとP2の夕暮れ

2日目。
零時過ぎから強風が吹き荒れ
テントごと飛ばされないように
何度も固定綱を締め直したり、アックスをさし直したりした
テントの山側に風が吹き込んで、谷に押し出されそうになるので
体をずっと斜面に押しつけて4時間我慢。寝不足のまま出発となった
P3は直登せず、左上するルンゼからリッジに出て、裏側に回り込む戦略
雪面が堅くてスタンディングアックスビレーができず
岩もボロボロで支点が全く取れない。朝イチから緊張した
リッジからは、雪の回廊に沿ってテントが3つぐらい張れそうな広いコルへ。
Nakadake140510-11d.jpgP3。上部が悪い

P1010034_convert_20140514105006.jpg核心の岩を臨む。右手の凍った凹角から上へ

Nakadake140510-11c.jpgこの凹角では少しだけアイスがあった

P1010036_convert_20140514105743.jpg岩場の上部はぼろぼろです
P1010039_convert_20140514110009.jpg風の強いリッジを行く

次が核心といわれる岩場
凹角沿いにアイスが張っているものの傾斜は緩く簡単そう
1カ所ハングを越え、ぴったり50mでリッジ上に出た
支点はなく、ぐらつくピナクルをアンカーにした
もう1ピッチロープを使い、あとは雪稜を20分ほど登ると頂上。
それまでの強風が嘘のように穏やかな頂上でした

Nakadake140510-11b.jpg
頂上で写真を取り忘れたので、頂上に向かう途中の写真。左上のピークが山頂。

中岳からの下降点で、横尾本谷を滑るというスキーヤー・ボーダー3人組と会う
スキーを担いで、南岳の岩場を下るのは悪いだろうと、岩佐さんと話し合う
梯子2つを下りると、3人のトレースが不用意に雪庇の近くをずっと通っていたので
トレースに惑わされぬよう、可能な限り風上側の斜面を登り降りした
大喰岳をサクッと越え、飛騨乗越までの途中から飛騨沢に下りた

Nakadake140510-11a.jpg
目の前には、どーんと槍ヶ岳

印象的なダケカンバの巨木の辺りから暑さが厳しくなり、アイゼンの雪団子に気をつけた
白出出合付近でまたまた道に迷い、1時間ほどブッシュこぎを楽しんだほかは、順調に下りました
頂上に行けたのは2月の能郷白山以来。7連敗はなんとか免れました(^_^;)


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好天のGW、明るく楽しいメンバーで明神の頂に立つことができました。
皆様ありがとうございました。

吉川です。
西村さん、宮崎さん、早戸さん、僕の四人で明神東稜へ行きましたので報告いたします。写真は宮崎さんと早戸さんと僕が撮ったものです。

5/3。朝から飛騨地方で地震が繰り返し発生し、山の状況が危ぶまれる事態となったが、情報収集をし、メールや電話で相談した結果、とりあえず現地には行ってみようということになった。

5/4
5:30沢渡駐車場→タクシー→6:00上高地→9:00?ひょうたん池→13:00?明神主峰→15:00?岳沢
時間がかなり曖昧です。すみません…

早朝。沢渡の駐車場で東京から来られた西村さんと合流した僕たちが見たのはおびただしい数の観光客と登山者の車だった。
迷わず出発ということになり、タクシーに乗って上高地へ出発!いつも坂巻温泉等からテクシーなので、タクシーだとラクラクー♫

上高地にはたくさんの観光客。ゴーストタウンのようだった一ヶ月前とは全く雰囲気が異なる。雪はこの一ヶ月でかなり融けたらしく、小梨平は夏のオートキャンプ場のような盛況だ。

人数に対する酒量の割合を綿密に計算した結果、酒が足りぬということになり、
明神館の自販機でビールを買い足す。
そして、橋を渡り下宮川谷へ。
雪も出てきたが、トレースバンバンの道は階段状になっており、高速道路のように歩ける。スピードが上がるが、その分息も上がる。暑いし、夏の白馬の大雪渓を登るような気持ちだ。

宮川のコルを越え、雪渓の上をひょうたん池方面へ歩を進めるが、とにかく暑い。日焼け止めとサングラスは必須。


あれれー?雪上とは思えないいでたちの人がいるけど錯覚かなあ?

ひょうたん池は雪に埋まっているのか、確認出来きないが、東稜に到着。
ここからはひたすら残雪の尾根を登る。


しばらく進むと、傾斜の強い雪と枯れ木と浮石のミックスとなった。いつの間にか足場も不安定になっている。これは実に不吉だ。待ってましたと言わんばかりに落石が僕の側頭部へ…一瞬の激しい衝撃の後、右手で側頭部にそっと触れると、案の定なんじゃこりゃ~!
しかし、頭だったわりには出血量も少なく、意識も身体もしっかりしており、助かった。デカい石じゃなくてホントによかった。フォールラインを避けること、頭上に注意を払うこと。その基本が出来てませんでした。

一応その箇所では万全を期して、ロープをだしてもらい、確実に突破。



その後も急傾斜の尾根をひたすら登る。
最初のピークを超えると、核心部のバットレスが見えてくる。このピークの直前でアイゼンを着けた。
予定ではここで幕営だか、時間も早く、明日の天気が微妙なので、今日中の下山を目指して進むことにした。今僕たちを邪魔するものは何もない!

ピークを超えた直後


バットレス手前。

バットレスは15mほどの岩壁。今回は右側の凹角を登った。
早戸さんがトップで登り、残りの三人は時間節約のために、固定してもらったロープにタイブロック等で確保して登った。
凹角の抜けに力を使うのでクライミングから半年も離れている愚か者の僕には辛かった。

その後は雪壁を登り頂上へ。



久しぶりのピークは感慨深いものがあった。頂上に着いた頃には少し曇り、風も出てきた。

イェーイ! その1


イェーイ! その2

明日は天気が悪くなるが、五峰方面へ縦走すれば、時間もかかるし、なんと言っても今日は岳沢でビールを飲みたいので、迷わず奥明神沢からの下山を決定。途中50mの懸垂を挟み、奥明神沢を駆け下って、明るいうちに岳沢へ。
明神でわざわざビールを買ったのに、ただのボッカトレーニングになってしまった。

岳沢では、前穂の予定だった位田さんパーティや、日本山岳会東海支部の方々などがいらっしゃったため(これを狙っていた)、夜は飲めや歌えやの大宴会。
恒例の宮崎さんのカレーも美味しく頂いた。

それでも19時には寝るという優等生ぶりを見せた千種のメンバーであった。

5/5
4:00起床→6:10出発→7:30上高地下山完了

朝から雪がチラつき始め、昨日中に下山していたことの喜びを噛み締めつつ起床。朝食のパスタを食べ、準備をして下山開始。
一瞬で上高地に着き、沢渡で風呂に入って解散した。


体力的にはなかなかきつかった上に、若干のトラブルもありましたが、パーティの雰囲気は常に明るく、いい空気の中登ることができました。ありがとうございました。
また、日本山岳会東海支部の皆様、お酒や鍋など本当にありがとうございました。ごちそうさまでした。

以上
矢野です。

鹿島槍天狗尾根に行ってきましたが天候不良のため敗退になりました。

【メンバー】曽我、岩佐、上手、矢野

【行動記録】
5/5:大谷原5:00~10:00天狗尾根1800m地点(幕営)
5/6:天狗尾根1800m地点6:40~9:00大谷原

【報告】
5/5は天狗ノ鼻で幕営の予定。
しかし、天気予報通り出発前から雲が厚くいつ雨が振り出してもおかしくない天候でした。
大谷原から荒沢出会いまでは渡渉が2回。水深の深いところで膝下ぐらいの渡渉です。
雪解け水は素足では冷たく岩佐さんが使用していた沢用のネオプレーンソックスが温かそうでした。
荒沢に入ってからは天狗尾根取り付き前に渡渉が1回。曽我さんは飛び石で渡りましたが、ドボン=敗退なので残り3人は渡渉。
尾根に取り付いてからは約1500m付近までは雪が無くほぼ藪漕ぎの急登。天気予報通り小雨が振り出したので1800m地点で幕営。

KashimaTengu140505a.jpg
1回目の渡渉。

5/6は雨が早めに止み気温が下がれば山頂を目指すということでしたが、残念ながら明け方まで雨が降り続き敗退決定。
ゆっくりと身支度をし同ルートを下山しました。
来年はもう少し雪の残っている時期にしたいです。

KashimaTengu140506.jpg
2日目は濃霧。前日大量に雨が降り、底雪崩れが怖いので下山決定。

KashimaTengu140506a.jpg
今年は雪が少ない。お蔭で合羽がどろんこになりました。

ミヤザキです。
前の週に日置、F田パーティーが楽しそうに登っていたのでうらやましくなって、急遽、宝剣岳中央稜に行ってきました。
メンバーはラッセルとしょーこ姉さん。
GW中とあって菅の台バスセンターは始発1時間前から行列ができはじめたものの、すんなり乗車。
ロープウェーで眼下に日暮の滝を確認し、冬に行こうとか話ながら2600mまで。
降りたら目の前に宝剣岳がドーン!
20140427080258.jpg 近っ!

8時千畳敷-9時取り付き-13時山頂-14時半千畳敷

20140427084520.jpg
ど真ん中の雪の切れ目の小壁から取り付いたが、本当は右側の草付きかららしい。

1p:ラッセル
出だしの悪いところを豪快なムーブで乗り越え、ビレイヤーのしょーこ姉さんを冷や冷やさせる。
20140427091744.jpg 豪快なムーブ

20140427092651.jpg 冷や冷やしながらも器用におにぎりをたべる姉さん

その後は泥を落としながら草付きを登り、雪解け水流れる凹角を登り、灌木を終了点に。
ロープの流れが悪いのか、繰り上げがうまくいかない模様。要練習やね。


2p:ねえさん
左側のスカイライン近くに出て、お助けスリングがたくさんかかったA1ゾーンをフリーで突破しようとひとしきりトライするも、アブミ使用に踏み切る。
さすがの経験値で危なげない人工登攀…しているのだろう。よく見えないけど。
その後もなかなかスタティックなクライミングを要求するおもしろいピッチでした。


3p:ミヤザキ
オケラクラックをやりたかったのでこのピッチを志願。
しかし出だしの小壁がくせ者だった。スタンスがないので、アックスでフッキングできるところを探していたら、足場にしていた雪が崩壊。
「こっちの外側から行ったらⅢ級くらいだよ」というねえさんの甘い誘いに乗って、右外側にルート変更。

20140428095854.jpg 「右から抜けたら?」「そっすね!」

どっこい、超バランシーな体重移動で身体を宙に露出させていく難ムーブのトラバース。
「Ⅲ級どころか露出感あってめちゃ怖いやんけ!」と後悔しつつ、ねえさんに繋がっているロープをこっちのルートにクリップしておいた。
オケラクラックはアイゼン付いてる足は入らないけど、ハンドがバチ効いて気持ちに余裕があるので立ち込める。
ノースのアセントグローブはジャミングが非常にやりやすい。
カム#2、3を計3つくらい使った。

20140427130507.jpg スカイラインを気持ちよく上る3p目

あとは雪稜のところまで簡単なフェースをほぼ50mいっぱいのばし、雪を掘ってハイマツの幹を探して終了点とする。

20140427131657.jpg 最後は30mくらいの雪稜


20140428095926.jpg ナイフリッジを超えて山頂到着。


20140427132744.jpg 

山頂ダイレクトルートなので、かなり気持ちいい終わり方になる。
ダブルアックスで乗越浄土側の雪壁をクライムダウンし、安定したところで大休憩した。


20140427134905.jpg 中央稜を真横から


下山後は、こまくさの湯で温泉に入って、明治亭でソースカツ丼を食べて、春日井の女子日山荘を冷やかして帰名。
朝4時発で、まっすぐ帰れば18時には帰宅できるという、3000m級のアルパインなのになんともお手軽なルート。
翌日に疲れも残らず、忙しいクライマーにはもってこいでした。

20140427172526.jpg これで普通盛り
2014.04.20 宝剣岳中央稜
19日宝剣岳中央稜へ行きました。
1月以来のWアックス使用。
ゲキウレニコニコマル♪とかここのなかでひとりで思っていました。
P4190226.jpg
ロープウェーイで楽ちん♪


快晴。目の前の岩のかたまりをまっすぐ登る。
クリックしてね。

P4190241.jpg
久しぶりで、出だしが微妙だったので、正直ヒヨってたので離陸に時間がかかったけど、ビレーを信じて立ちこみました!

P4190249.jpg
自撮りの記念撮影しながらビレーしてくれて、本当にありがとう。
おかげさまで、絶対に堕ちれない緊張感をたのしめたわぁ

P4190235.jpg
1p 先行者がいたために、すこし右寄りから登りだし、結局右に寄ったまま登ったので、面白さが増した。
草付きは、泥を含み、御在所岳の泥が目に入るという悪夢がよぎったが、サングラスしてるから、問題なし。
このひとは、度の入ったサングラスをしているため終始この表情でした。

P4190242.jpg
2p ここでも先行者がいたので、また右寄りのラインへ突入。
結果おもしろかったです。凹角に腕を突っ込みながら、フッキングして登りました。
上部核心部はクランポンでヒールフックが炸裂。

P4190246.jpg
3p オケラクラック。その取り付きにある小壁がおもしろかった。
クラックはハンドジャムで快適でした。
上部はやっぱり雪が締まっていて、快適です。

P4190257.jpg
宝剣岳山頂にダイレクト。いいルートです。

P4190262.jpg
クリックしてね。どーん!

1pたろう
2pクチャクチャ
3pパコちゃん

ロープウェイで登り、降りる。
快適すぎて、カルチャーショックでした。

たろう
1皮です
4日前に敗退したコブ尾根に岩佐さんと行ってきました
天気、気温以外のコンディションはまるで冬!
トキントキンのナイフリッジや巨大な雪庇が次々出てきて
ドキドキワクワクのクライミングを楽しめましたが
ピーク約50m手前で時間切れ敗退となりました

坂巻温泉1:10~2:50上高地3:00~5:20岳沢小屋5:30~7:20マイナーピーク9:00~10:00コブ岩取り付き~14:30次のコル14:50~15:40敗退決定~18:40岳沢小屋19:00~20:50上高地21:00~22:50坂巻温泉

コブ沢の雪は4日前より柔らかく、登りやすくなっていた
前回の反省から、左側の小尾根側からマイナーピークの上に登る。なんだ簡単じゃん(^_^;)
ピーク上は、グサグサ雪の50度ぐらいの急斜面
70~80センチのバケツを掘って、雪を詰めた土のうを埋め、懸垂する
雪は氷状で固まりが悪く、土のうを埋めた場所にしばらく座って体温で固めた
トップの懸垂は、土のうの効きを確かめるため
セカンドがスタンディングアックスビレーで確保した上
スコップで雪庇を壊して下りる方向を確かめた
下りた場所は尖ったナイフリッジ。雪は安定していた
60度ぐらいの急斜面を登ってコブ岩取り付き。右側はずっと雪庇が続きます
P1000908_convert_20140415132121.jpgダイヤモンド前穂
P1000921_convert_20140415132321.jpgスコップで雪庇を崩して懸垂する
P1000930_convert_20140415132420.jpgマイナーピークを振り返る
P1000928_convert_20140415132505.jpgグサグサの急斜面を登る

コブ岩は全5ピッチ。どこでも登れそうだが、ライン取りで難しさが変わってくる
クラックが豊富で、カムが有効です
エイリアンを5つ持っていったが、ちょうど良かった

Kobuone140414d.jpg3ピッチ目出だし

問題はコブ岩上のナイフリッジ
薄っぺらなやつが35mぐらい続き、最後は下ってる(笑い)
で、こんな時に失敗はやってくる
リッジ上に出る4ピッチ目で、ビレーに絶好のピナクルを行き過ぎてしまった
リッジ上は、スタンスを切るのが精一杯で、SABは無理
まあ落ちなきゃ大丈夫でしょ、ということで
緩い雪にアックスのピックを突き刺して支点(?)を作り
ボディビレーで済ました(セカンドの岩佐さん、ごめんなさい)
もう一つの問題は懸垂支点として使われているピナクル
もし雪の下だったら掘り出してでも探すしかないかと
あきらめ半分でリッジを下ると、ちゃんと頭が出てました
P1000960_convert_20140415132705.jpgナイフリッジの下り。寿命が縮まりそう
P1000971_convert_20140415132908.jpg敗退する谷から見たコブ岩のナイフリッジ

20mの懸垂で下りた先もナイフの上
そこからも雪庇は続くため
リッジは避けて60~70度ありそうな急な斜面にルートを取った
雪がグサグサで足場が時々壊れるので肝を冷やした
ピークの50mぐらいの距離まで近づいたら
ピーク上の雪庇が高さ3~4mはありそうなことが判明
すでに午後4時目前、穴を空けて登ってる時間はなかった
残念だが、再び敗退を決めた

手前のコルまで戻り、コブ尾根南側の谷を下ることにした
だが3分の2ぐらい下り、のど元のように狭い小滝を過ぎたところで
そこから下は崖が200mぐらい続いているのが分かった。こりゃ大変
もうすぐ夕暮れ。登り返すような時間はない
焦った末、すぐ南側の小尾根を越えて偵察してみると
岳沢まで歩いて下りられそうなことが分かった
小滝を登り返し、小尾根を越えて谷までトラバース気味に下降
デブリだらけの谷を岳沢小屋まで下りた
(この谷はエスケープルートに使えます。雪が安定していれば、ですが)
P1000973_convert_20140415133319.jpg敗退を決め、谷を下る。途中から写真左の尾根を越えた。正面はコブ岩

上高地までは道に迷いながら、坂巻温泉までは居眠り歩行をしながら下りました
終わり
穂高周辺を午後3時ごろに寒冷前線が通過すると予想して
それまでに2750m付近のマイナーピークを越えて、コブ岩基部に雪洞を掘って泊まる計画を立てた
でも、ぐさぐさ雪をまとったマイナーピークを越えるのに難儀しているうちに
予想より早く来た嵐につかまり敗退しました

坂巻温泉4:50~6:15上高地~8:00岳沢小屋8:30~マイナーピーク10:20敗退決定11:30~13:00岳沢小屋~15:00上高地~坂巻温泉16:00

坂巻温泉をチャリで出発。もう空が明るくなってる!
上高地までは一応除雪されているものの、雪が薄いアイスバーン状に残った場所が10ヵ所以上
特に下り坂、チャリは注意です

岳沢小屋までは、夏道をすぐに見失ってしまい
樹林帯や谷沿いのデブリを適当に越えて左岸台地状の斜面に乗った
雪は、朝の冷え込みでしまってて歩きやすい
岳沢小屋は屋根などが一部、雪上に出ているだけだった
P1000881_convert_20140412100712.jpgコブ岩はすぐそこ


まもなく陽があたり始め、雪の状態が悪くなる
コブ沢に入ると、コブ岩がすぐそこに見える
やけに近いじゃんと感じるが、日ごろの不摂生のせいかスピードは上がない
斜面はデブリと、アイスバーンが交互に出てきた
2626mのピークが後ろになると、奥穂の頂上が右手に見えた
マイナーピークのスノーキャップの下に1本の潅木があり、
セルフをとろうとしたら、あれっ、ハーネスがない、、、
付けるの忘れてました。やばいやばい

ハーネスを付け、気を取り直しあらためて出発
60度ぐらいの急斜面の柔らかい雪を20mぐらい登り、どこから越せばよいか見回していると
左足がズボッと股まではまった
ひっくり返るのは何とか我慢
体勢を起こそうとピッケルを刺したら、今度は右肩まではまった
ここの雪はグサグサです、、、
肩で息をしながら潅木までクライムダウン
P1000888_convert_20140412100818.jpgマイナーピークの下。ぐさぐさ雪


菓子パンで気を落ち着かせ
ちょっと見える岩の辺りから左手に乗り越せないかと思案していると
雪がちらつき始めた
振り返ると、さっきまでバッチリ見えていた上高地は灰色の雲の下
数分後には激しい吹雪になった
天気予報じゃもっと遅くに悪くなるはずだったやないか、気象庁め、と悪態をついても始まらない
視界は5メートルぐらいまで落ち、これじゃマイナーピークを越えられそうにありまへん

P1000892_convert_20140412102332.jpg岳沢小屋から見上げるコブ尾根。雪雲の中です

撤退することにして、潅木で2回懸垂
その後はバックステップで降りた
アイスルートのようにカチコチに凍りついたところが多く、気温が急激に下がっているように感じた
岳沢小屋から下るほど雪は柔らかくなり、上高地までにたぶん100回以上雪にはまりました
上高地から下は雨。ママチャリのブレーキがちゃんと効くか気を使いながら坂巻温泉まで降りました

これで5回連続の敗退となりました、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。
1皮
岩佐です。

明神岳南西稜から明神主峰を目指しましたが、南西稜取り付きを探すのに時間がかかったことと、時に腰まで沈む急登ラッセルで時間切れ。翌日は荒れ模様の天気ということもあり、2,300m位の所で敗退決定とし、翌日下山しました。

【メンバー】
岩佐、K手、吉川

【4/5】
坂巻温泉03:15~05:22上高地バスターミナル~08:20南西稜~15:00 2,300m地点・下降開始~17:00 2,230m地点幕営

【4/6】
テン場08:30~09:40南西稜取り付き~12:00坂巻温泉

山行直前まで天気が悪く、新穂高ロープウェイライブカメラでは前日もかなりの雪。1泊2日では厳しいことが予想されたが、取り敢えず現地に向かう。

高山で少し道に迷い、予定より1時間以上遅れて坂巻温泉出発。釜トンネルから上高地バスターミナルまでは、上高地オープンの準備のためか道路は除雪されており歩きやすいが、天気予報通りかなりの強風で先が思いやられる。

登山口から南西稜取り付きの7番看板まで夏道登山道を登るはずが、肝心の登山道が見つからずに迷いかなりの時間のロス。お蔭で明神南沢と思われる所に着いたのが8時20分。これではV峰台地すら辿りつけないのではないかとは思いながらも、取り敢えず南西稜を登り始める。しかし、急登のうえ新雪・クラスト・空洞の悪雪に悩まされてなかなか高度が稼げない。

myoujin140405-06a.jpg
写真では分かりにくいですが、すごい急斜面です。

岩稜帯でロープを出して1ピッチ+α登った時点で既に15時近く。稜線上のどこかで幕営し、せめて翌日V峰までは登りたいと思ったが、明日の天気予報を確認すると当初の予報よりも早く荒天となるとのことだったため断念。70mほど下った所で幕営する。

myoujin140405-06b.jpg
岩稜帯にて。

myoujin140405-06c.jpg
奥穂から西穂への稜線は雪で真っ白。

myoujin140405-06d.jpg
時折晴れてカッコいい六百山が見える。

翌日は6時少し前に起床。外は雪が降っている。霧と雪で視界は悪い。のんびり朝食を食べて、8時半に下山を開始した。登りは恐ろしく時間がかかったのに、下りは1時間ちょっとで取り付きに到着。あとはテクテクと歩いて坂巻温泉まで。それにしても、今シーズンは敗退ばかり。今回の山行も「良い体力トレーニング」で終わってしまいました。やはり山頂を踏めないのはつまらない。。。

29日@御在所岳

P1290191.jpg
アプローチでいきなりバツーラのジッパーが壊れたなめちゃんはテンション↓(爆)
結局この壊れた状態で登ってました。
ちなみに朝が苦手なボクたちは快適御在所ロープウェイで高度を稼ぎます。

P1290198.jpg
本谷登山道わきにある岩。
右のワイドからはじめました。

P1290200.jpg
なめたろう>1p目

P1290205.jpg
クラックの中はコケコケで抜け口はブッシュが激しく、体力系でした。

P1290206.jpg
その後、沢をのぼりフェース
たろう>2p目
直上はどう考えても厳しいなぁ~と考えていると、「地ジャンしてガバ取って」とか「やっぱランジ」とか
ガヤ芸人の提案はスルーして、正統派な山岳会に所属するボクは正統派なムーブで抜けました。
そのごしばらくヤブ漕ぎ。

P1290214.jpg
3p目>なめたろう
頂上直下の最後の岩壁
それを登ったなめちゃん。

P1290215.jpg
わたしくの目線からみるとこんな感じ・・・
チムニー~クラックが厳しくテンション。
背負っていたパックを引き上げてもらいました。

P1290216.jpg
凍った草付きにキャンパ気味に登ったり、泥まみれになりながら、チムニーをずり上がったり、
楽しく満喫できたのもこの男のおかげでした。

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ロープウェイの乗客を楽しませたのは言うまでもありません。

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最後の抜け。
もうドロドロ。それを楽しんでいたなめちゃん。
じっさい泥が目にがっつり入ったときは超ブルーだったわ!

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御在所サンセット
ロープウェイの営業は終了のため、裏道をあるいて下山。

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裏道から見た名前忘れたけど、アノこおり。いい感じに凍っていました。

以下なめちゃんによるグレーディング

ロープウェイの直下の壁を3p程繋げて、せっかくなのでルート名もつけました。

「御在所ロープウェイ」

1p目、20m/M5のチムニー。チムニーに入る前が悪い。
2p目、20m/M4+の垂直のフェース。
ちょっと藪漕ぎしてからの、、、
3p目、40M/M7-のクラックから被ったモシャモシャから小ルーフ。

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すてきな岩場が

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ゴロゴロ

また行きましょう。
たろう
2013.06.10 奥穂高岳南稜
若輩会員の宮崎です。
6月6、7日の2日間、成瀬くんと会員外1人の計3人で奥穂高岳南稜を登ってきました。

奥穂山頂成瀬


【6月6日】
上高地(1510m)13:00-14:40岳沢(2170m)

【6月7日】
岳沢(2170m)5:00-南稜取り付き(2430m)5:40-トリコニー取り付き(2700m)7:00-南稜の頭(3140m)9:40-奥穂高岳山頂(3190m)10:00-最低コル(2929m)10:40-12:00岳沢(2170m)12:50-14:00上高地


今回の言い出しっぺは成瀬くん。
1912年にウォルター・ウエストンと上條嘉門次が上高地からたった1日で登ったというクラシック中のクラシックルートを、当時に思いをはせながら登る味わい深い山旅の提案。さすがです。
さらに特別ゲストとしてクライミングジム・ズットンのスタッフ、Fくんを加えました。
Fくんは徒歩での日本放浪後、焼岳小屋、南岳小屋、赤岳鉱泉など各地の山に籠もりながら独学でアルパインを実践する野生児。
ただあまりの強烈なキャラクターが周囲にいろいろな影響を与えてしまうため、事前に日置運営委員から「くれぐれも成瀬くんの画風には影響を与えさせないように」との密命を受けました。
言われてみれば、6月23日に成瀬くんのイベント「絵描き的テント泊縦走のススメ」がパタゴニア名古屋店であるのです。
なるほどなるほど、成瀬くんの画風が急にキース・ヘリングみたいになったら大変ですもんね。


初日は朝、名古屋を発ち、中津川経由で昼に沢渡着。
上高地バスターミナルで今夜の宴会のみ参加する成瀬くんの友人の登山ガイドSさんと合流し、4人で岳沢まで登山。
さくさく登って100分で岳沢小屋に到着。他にテント泊の登山者もおらず、便利な場所に張らせてもらいました。
岳沢小屋テント バックには明神岳

早速、野生児Fくんが突飛なことを言い出します。小屋の背後にある天狗沢の雪渓を、天狗の頭に向かって1人で登ってくるというのです。
すでに頭が宴会モードに切り替わっていた3人は深く考えずにFくんを送り出し、缶ビールをプシュ。雪壁を登るFくんを眺めながら、杯を乾かしていきます。

すると、かなりの勢いで登っていたFくんが突然見えなくなりました。
休憩しているのだろうと思いきや、30分経っても雪壁に現れない。
携帯は電源が入っておらず、連絡の取りようがない。
酒を飲んでしまっているため不用意な捜索は2次遭難になりかねず、小屋で双眼鏡を借りてなんとか目視で捜索。しかし、見つからない。
日も暮れ始め、雨も降ってきて、これは本格的にまずいのでは…とみんなが焦り始めたころ、Fくんはひょっこり雪壁に出現。またすごい勢いで下山してきました。
テントに帰ってきたFくんを問いただすと、「いやー、疲れたところでちょうどいいシュルンドがあったんで、その中で寝てました」とケロリ。
野生クライマーの思考は若輩者には理解不能でしたが、隣の2人も開いた口がふさがっていなかったので、自分は間違っていないと確認できました。

こんな調子で初日の夜は更け、持参したインド・ゴアの名物カレー「ポークビンダルー」で夕食。
作ってる途中で目が痛くなるほど鷹の爪を入れたものの、みんな完食してくれました。山の食事はなんでもうまいってことですね。
翌朝のお腹の具合も心配でしたが、特に下した人はいなかったようです。
19時ごろ、岳沢小屋の小屋番さんに招かれ、2次会開始。
嘉門次小屋の岩魚の燻製を肴に久保田千寿をごちそうになり、へべれけになってテントに帰りました。


翌朝は3時起床。22時過ぎまで飲んでいたという成瀬くんは気持ち悪そうです。宮崎も同様に2日酔い。野生児のくせに酒が飲めないFくんはケロリとしていました。
ゆっくり朝食を取り、上高地に戻るSさんと別れて5時に出発。
マッターホルンに向けた練習という外国人ガイドのパーティーを雪渓のアプローチで追い抜き、南稜に取り付きます。

南稜の取り付き 3つ並んだ岩峰がトリコニー


南稜は、雪、藪、岩と変化に富んだルートのクライミング。しかも6月上旬という中途半端な時期は暑すぎず、寒すぎず、意外にコンディション良好。絶景を堪能し、2日酔いの2人も徐々にテンションが回復します。野生児は言うまでもなくハイテンションです。

2013667P6070783.jpg よい子はマネてはいけない山での悪ふざけ

2013667P6070855.jpg マネてはいけない山での悪ふざけ2


核心部のトリコニーは、一見難しそうな見事なチムニー(しかし入ってみると簡単)から始まる、Ⅲ級程度の岩稜クライミング。
トリコニーのチムニー


結局ロープを出すこともなく、快適に名峰の名ルートを満喫しました。

南稜の頭 登攀成功の喜びを表現する宮崎


南稜の頭にザックをデポし、奥穂高岳山頂を往復。だいぶ満足したため、前穂には行かず、吊り尾根の最低のコル付近から雪渓を下るルートを選択。けっこう斜度があって最初は緊張しましたが、慣れれば走って降りれる雪の状態でした。
前穂高沢に合流し、見事な柱状節理の岩壁に感動。

前穂沢柱状節理 斜めの柱状節理


雨に降られながらも快調に下山していたところが、滝沢の大滝が作った巨大シュルンドに行く手を阻まれます。
あとは岳沢でテントを撤収して上高地に下るだけなのに、最後の最後でやっかいな障害。

前穂高沢懸垂下降 懸垂下降する成瀬くん

灌木を支点に懸垂下降を使ってこれを越えると、すぐそばには6時間ほど前にいた南稜の取り付きが。
一周して取り付きに戻ってきたことがなんだかうれしくなり、写真を撮ろうと2人にカメラを向けた瞬間…


Wポーズ おもむろに近づいてきた成瀬くんが

近づく成瀬 いきなり「イエーイ!」

はっ!もしやこのポーズは…キース・ヘリング!?

成瀬ポーズ

さらにFくんと一緒にWキース!!


あちゃー…
日置さん、そして全国の成瀬ファンのみなさん、万が一成瀬くんの画風がやたら原色系とかに変わってしまっていたら、それは奥穂高岳という偉大な山のせいだと思ってください。